父のためにかに本舗で注文をしました
病床に臥す高齢の父が余命宣告を受け、もう余命幾ばくもない状況になってしまいました。
当人にも宣告をしているので限られた時間しかないことは分かっています。
特に今まで何も言わずに耐え忍ぶだけだった父が、初めて私達の前で一つ我儘を零しました。
昔からカニが好きで一度は顔くらいはある大きなカニを食べてみたいと思っていた、このようなささやかな我儘を零したことに涙が出てしまい、これは全力で叶えてあげなければならないとかに本舗を利用することにしたのです。
かに本舗は大ぶりのカニが多く、大きいのに値段も安いため手が出しやすいのが魅力のお店です。
いろいろな流通業者を通さずに現地へ赴いて大量買い付けを行うため、安く仕入れることが出来るのだそうです。
顔ほどもある大きなカニなど大味なのではないかとも思ったのですが、父がそういうものを食べたいと言っている以上大味であっても頼まないわけにはいかないと注文をしてみました。
届いたカニは父がリクエストしたとおりの大きさで、カニしゃぶにして食べたところ大味なんてとんでもないほど美味しくて食欲がないはずなのに珍しく無心にカニを食べていました。
このおかげかどうかは分かりませんが、父は余命宣告を受けた時期を過ぎても生きていますし、カニを時折注文して食べるのでまだ死ねないとそんなことを言っています。
出来る限り元気に長生きをしてもらいたいので、今後も定期的に注文をしていきたいと思います。